◎コンゴ民主共和国の避難民は560万人と推定されている。
2022年5月20日/コンゴ民主共和国、東部ゴマの避難所(Getty Images/AFP通信)

コンゴ民主共和国で活動する人道機関は27日、国軍と反政府勢力「3月23日運動(M23)」の戦闘に巻き込まれ避難した市民がこの4日間で少なくとも3万7000人に達したと明らかにした。

戦闘はM23の拠点のひとつである東部の北キブ州ゴマ周辺で再燃した。

市民の避難を支援している人権NGOは声明で、「何千もの家族がこの新たな暴力の波から逃れることを余儀なくされている」と述べている。

AFP通信などによると、ゴマ郊外には即席の難民キャンプや避難所が設置されている。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も戦闘の激化に懸念を表明している。UNHCRによると、5月19日以降に避難した市民7万2000人以上が緊急の人道支援を必要としている。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される組織で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後も国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れルワンダやウガンダに逃亡した。

UNHCRによると、北キブ州では少なくとも190万人が避難生活を送り、昨年11月以降に土地を追われたゴマの市民は17万人に達したという。コンゴ民主共和国の避難民は560万人と推定されている。

この1週間で隣国ウガンダに逃亡した市民は約7000人と伝えられている。3月末の激しい戦闘でも2万5000人が避難している。

避難民たちは即席の難民キャンプ、教会、学校などに身を寄せており、人権団体は衛生環境の悪化に懸念を表明している。

UNHCRは北キブ州の人道支援に500万ドルが必要であるとし、国際社会に支援を呼びかけた。

アフリカニュースによると、ゴマ周辺の戦闘は収束しつつあるように見えるが、M23が侵入した地域に戻ることは困難だという。

コンゴ政府はルワンダがM23を支援していると非難しているが、ルワンダ政府はこの主張を否定している。コンゴ軍は国連平和維持ミッションと協力して対応にあたっている。

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