◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
2022年11月7日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ、軍の動員令に応じた若者たち(Moses Sawasawa/AP通信)

コンゴ民主共和国東部に駐留する東アフリカ共同体(EAC)のPKO部隊の撤退任務が進んでいる。

EACは8日、南スーダン軍の兵士約250人が東部・北キブ州ゴマの基地を離れたと発表した。

このPKOに参加するケニア陸軍の兵士約300人は先週、撤退任務を開始。8日午後に終了する予定である。

南スーダンの兵士たちは現地時間午前5時20分頃、ゴマの空港から首都ジュバに向けて飛び立った。

ウガンダとブルンジの部隊も数週間以内に撤退任務を開始する予定である。

EACは声明の中で、「各国の撤退任務は来年1月7日まで続く」と述べている。兵士は空路、装備は空路と陸路で搬送される。

EAC部隊がゴマで活動を開始したのは昨年11月。北キブ州では同国最大の同国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」と国軍による戦闘が続いている。

コンゴ当局はM23に占領された領土を奪還するため、EACに部隊派遣を要請した。

しかし、コンゴ当局は任務開始から1カ月も経たぬうちにEACを批判。「EAC部隊はテロリストと対峙せず、共存している」と主張した。

ゴマに駐留している国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)も数カ月以内に撤退任務を終える予定だ。

チセケディ政権はそれに代わる部隊として、南部アフリカ開発共同体(SADC)にPKO派遣を要請。大統領府の報道官は「12月10日から部隊派遣が始まる」と言及したが、要員を送ると発表したSADC加盟国は確認されていない。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。2021年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられ、北キブ州ゴマ近郊まで支配地域を拡大したとされる。

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