◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国東部、陸軍の兵士(Getty Images)

コンゴ民主共和国東部の集落にイスラム国(ISIS)系組織「民主同盟軍(ADF)」が押し入り、住民少なくとも12人を殺害した。地元当局が3日、明らかにした。

それによると、事件は東部・北キブ州のウガンダ国境近くにある集落で発生。ADFの武装兵が子供を含む12人をナタや斧で切り殺したという。

国連は先週、ADFに今年殺害された市民が200人近くに達したと報告していた。

ADFはウガンダで発足した反政府勢力。1990年代半ばからコンゴの北キブ州などに拠点を置き、民間人数千人を虐殺したと告発されている。

ADFは近年、東部地域で活動を活発化させ、コンゴ・ウガンダ連合軍の取り締まりをかいくぐり、北キブ州やイトゥリ州で民間人を虐殺している。

コンゴ陸軍の報道官は4日、ADFの武装兵が集落の病院に火を放ち、女性ら10数人を誘拐したと明らかにした。

それによると、治安部隊が武装兵を追跡し、4人を殺害。誘拐された10数人のうち4人を救助したという。

地元民兵によると、今回の襲撃で死亡した住民は陸軍の発表より多く、10歳以下の子供4人を含む少なくとも17人が殺害され、15人が行方不明になっているという。

コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。

米国務省は昨年3月、ADFのリーダー、ムサ・バルク(Musa Baluku)の逮捕につながる情報に最大500万ドルの報奨金を出すと発表。同省はバルクを2021年に特別指定国際テロリストに、ADFをテロ組織に指定している。

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