◎ヘリは6日の現地時間午後3時頃に銃撃を受けたものの、何とか基地に帰還した。
2022年5月24日/コンゴ、北キブ州ゴマ近郊、国連平和維持ミッションの兵士(Getty Images/AFP通信)

国連は6日、コンゴ民主共和国東部でPKOのヘリが銃撃を受け、1人が死亡、1人が重傷を負ったと発表した。

国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は声明で攻撃を非難し、「PKO要員への攻撃は戦争犯罪である」と断じた。

北キブ州ゴマに拠点を置く国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)によると、ヘリは6日の現地時間午後3時頃に銃撃を受けたものの、何とかゴマの基地に帰還したという。

MONUSCOに参加している南アフリカ軍は同日、「乗員1人が死亡、もう1人が重傷を負った」と発表した。

南ア国防省によると、死亡したのは同国の兵士。詳細は追って通知するとした。

MONUSCOの報道官によると、ヘリがどこで攻撃を受けたかはハッキリせず、発射元も不明。報道官は6日遅くの声明で攻撃を厳しく非難した。

グテレス氏もコンゴ当局に対し、事件を速やかに調査し、関与した者を裁判にかけるよう求めた。

またグテレス氏は「コンゴ東部に平和と安定をもたらすコンゴ政府および国民の努力を引き続き支援する」と述べた。

PKOヘリへの攻撃は東アフリカ共同体(EAC)がこの地域の紛争当事者に武器を置くよう勧告した2日後に発生した。

EAC首脳会議に参加した各国の首脳は東部地域で活動する全ての紛争当事者に即時停戦を、さらに外国人を含むすべての武装集団に撤退を求めている。

北キブ州の広い範囲を実行支配する反政府勢力「3月23日運動(M23)」はコンゴ軍とPKOへの攻勢を強めている。

M23は昨年3月、PKOヘリを撃墜し、要員8人(パキスタン人6人、ロシア人1人、セルビア人1人)を殺害した。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘しているが、ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられる。

コンゴ民主共和国、北キブ州郊外の基地(Getty Images/AFP通信)
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