◎コンゴ政府は13日、東部で活動する反政府勢力が主要な町を占領したと発表した。
2022年5月28日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ郊外、コンゴ軍の兵士(Djaffar Sabiti/ロイター通信)

コンゴ民主共和国政府は13日、東部で活動する反政府勢力「3月23日運動(M23)」が主要な町を占領したと発表し、ルワンダ軍が「侵略」に関与していると非難した。

コンゴ軍は声明の中で、「M23を率いるルワンダ軍の行為は侵略に等しい」と断じ、祖国を防衛すると誓った。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡した。

ルワンダのフツ族は1994年のジェノサイドで少数民族ツチ族の住民数十万人を虐殺したと非難されている。フツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

東部「北キブ州」の報道官は13日、国境の町ブナガナ(Bunagana)が占領されたと明らかにした。「ブナガナに対するルワンダ軍の攻撃は侵略行為に等しい蛮行である...」

ロイター通信などによると、ルワンダ政府はこの攻撃に関する声明を発表していないという。

ルワンダ政府はM23を支援している、もしくはM23と一緒に越境攻撃を仕掛けているというコンゴの主張を否定している。

一方、M23の報道官ンゴマ(Willy Ngoma)氏は地元メディアを通じて声明を発表し、コンゴのチセケディ(Felix Tshisekedi)大統領に直接交渉を求め、「ブナガナの占領は最近この地域から逃れた市民を無事帰還させるための措置に過ぎない」と主張した。

またンゴマ氏は、「我々の拠点や市民に対する新たな脅威が発生した場合、我々の部隊は敵を殲滅するよう命じられている」と警告した。

ルワンダ政府は先月末、コンゴ軍が越境攻撃を仕掛け、国境付近の市民数人が負傷したと述べていた。

コンゴ政府はルワンダ軍がM23と共に東部地域を攻撃し、鉱物資源などを奪おうとしていると主張している。

M23は今年初め、コンゴ政府が10年来の約束を守らなかったとして、北キブ州周辺での活動を活発化させた。

13日に占拠されたとみられるブナガナは、北キブ州の州都ゴマの北東約60kmに位置し、国際機関と国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の活動拠点としての役割を担い、中国からコンゴに輸入される物資の中継地点でもある。

ウガンダの国境当局は13日、北キブ州の戦闘から逃れたコンゴ軍の兵士100人以上が国境を越え、投降したと発表した。

当局によると、投降した兵士たちはウガンダ国境に近いコンゴ東部の町ルツルに送還される予定だという。

M23は避難した市民を帰還させるためにブナガナを占領したと主張しているが、地元の指導者たちは13日、コンゴ政府に領土を奪還するよう求めた。「私たちは侵略行為を決して許さず、コンゴ政府に領土を取り戻し、主権を回復し、ルワンダ軍を無効化するよう要請します...」

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