◎中央アフリカは世界で最も貧しい国のひとつであり、2012年から内戦状態にある。
2015年5月22日/中央アフリカ共和国の武装勢力(Getty Images)

中央アフリカ共和国当局は19日、武装勢力が西部の金鉱山を襲撃し、中国人9人が死亡、2人が負傷したと発表した。

当局によると、事件は最近操業した中国人が運営する金鉱山内で発生したという。この鉱山は西部のカメルーン国境近くに位置する。

この地域では先週、中国人3人が武装勢力に誘拐されている。同国のトゥアデラ(Faustin Archange Touadera)大統領は中国人投資家を安心させるために中国を訪問したばかりだった。

当局によると、武装勢力は19日の午前5時頃(現地時間)に鉱山を襲撃し、警備員を制圧した後、職員を射殺したという。

地元警察の報道官はAP通信の取材に対し、「事件に関与した組織を追跡している」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

事件現場の近くに住む男性はAPに、「政府・軍・警察にこの国で生活する外国人を保護する力はない」と語った。

中央アフリカは世界で最も貧しい国のひとつであり、2012年から内戦状態にある。現在、MINUSCA(国連中央アフリカ多次元統合安定化派遣団)の兵士約1万2000人が治安維持任務に当たっているものの、国土のおよそ3分の2が反政府勢力の支配下に置かれている。

地元ラジオ局は反政府勢力「変革のための愛国者同盟(CPC)」が事件に関与したと報じている。この組織はボジゼ(Francois Bozize)前大統領と同盟を結んでいる。

大統領府の報道官は中国人ビジネスマンへの攻撃を「筆舌に尽くしがたい蛮行」と糾弾した。「テロリストはこの国の経済を鈍らせるだけでなく、発展の土台を攻撃しています,,,」

中央アフリカ金やダイヤモンドなどの鉱物資源に恵まれているにもかかわらず、世界で最も貧しい国から抜け出せずにいる。反政府勢力は外国企業の活動を妨害し続けてきた。

現在、同国で操業している企業の多くは中国系であり、セキュリティの問題に直面している。

2020年には地元住民が金鉱山に押し入り、制圧。中国人2人が死亡した。2018年には中国人の鉱山労働者を現場に案内した地元の関係者がボート事故で死亡し、これに激怒した地元住民が中国人3人を殺害した。

ロシアの民間軍事会社ワグネルは中央アフリカの広い範囲で活動し、鉱物資源で大きな収益を上げている。

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