◎わずか数時間で「1ドル=30エジプト・ポンド」から「1ドル=50エジプト・ポンド」まで急落した。
エジプト、首都カイロの市場(Getty Images)

エジプト政府は6日、通貨を切り上げ、国際通貨基金(IMF)との救済融資を30億ドルから80億ドルに増額することで合意したと発表した。

この発表後、エジプト・ポンドの投げ売りが始まり、わずか数時間で「1ドル=30エジプト・ポンド」から「1ドル=50エジプト・ポンド」まで急落した。

エジプト中央銀行は同日、主要政策金利を6%引き上げ、27.75%とした。

エジプト経済は長年にわたる政府の緊縮財政、コロナウイルスの流行、ウクライナ戦争、そしてガザ紛争の影響を強く受け、インフレが加速。人口の大多数を占める低中所得者層が食料の確保に苦労している。

エジプトは世界最大の小麦輸入国であり、その多くをウクライナとロシアから輸入してきた。

中銀は今回の利上げについて、「ここ数カ月で前例のないレベルに達した消費者物価指数(CPI)を押し下げるだろう」と強調した。

1月のインフレ率は前年同月比で31%超。昨夏のピーク時に記録した40%を上回る勢いでインフレが進んでいる。生鮮食品を含む食品価格はこの1年で2倍近く値上がりした。

政府の統計によると、同国の人口約1億500万人の30%が貧困層に分類される。

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