◎ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
ソマリアのチャイルドヘルスセンター、経口生ポリオワクチン接種の様子(Ben Curtis/AP通信)

ブルンジの保健当局は17日、経口生ポリオワクチンを起源とするポリオ患者を確認したと発表した。同国でポリオが確認されたのは30年以上ぶり。

当局によると、感染したのはワクチン未接種の児童3人。当局は下水からポリオが検出されたと報告している。

ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。

死亡率は地域によって異なるが、ワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、妊婦はさらに高いと推定されている。

当局は声明で、「検出されたポリオは野生型ではなく、ワクチンを起源とする変異株」と報告した。

政府は同日、公衆衛生上の非常事態を宣言し、7歳までの児童を対象とする予防接種キャンペーンを数週間以内に開始すると発表した。

WHOアフリカは声明で、「ポリオワクチン接種を進める国々の取り組みを支援する」と述べている。

WHOによると、ブルンジで最後にポリオワクチン接種が行われたのは2016年。接種した人数は集計していないという。

アフリカ大陸などにおけるWHOのポリオ撲滅キャンペーンは1988年に始まり、十数年での撲滅を目指していた。世界中で使用されている経口生ワクチンの効果は高いものの、4回接種が必要である。

アフリカ大陸で近年確認されているポリオ患者の大半がワクチンに含まれるウイルスを起源とするものであり、野生型はごくわずかである。

専門家によると、経口生ポリオワクチンに含まれる「生きたウイルス」がワクチンを接種していない個人の間で稀に流行することがあるという。その頻度は200万人に2~4人とされ、稀に危険な変異を遂げ、衛生状態が悪く、ワクチン接種率が低い地域で広がることがある。

経口ワクチンに関連した患者は昨年、米国、イギリス、イスラエルなどの豊かな国々でも確認された。

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