◎ブルキナファソを含む西アフリカ諸国はサハラ砂漠以南のサヘル地域に拠点を置くアルカイダとイスラム国(ISIS)系組織の暴力に悩まされている。
2022年3月2日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグーの政府庁舎、暫定大統領のダミバ中佐(Getty Images/AFP通信)

ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)は18日、ブルキナファソの軍事政権は国土の60%しか管理できておらず、残り40%はジハード組織の支配下に置かれていると指摘した。

ECOWASにブルキナファソの調停役に任命されたニジェールの前大統領であるイスフ(Mahamadou Issoufou)氏は18日、ブルキナファソ軍高官と民政復帰に向けたスケジュールなどについて協議した。

イスフ氏は会合後の記者会見で、「ブルキナファソ政府は国土の60%しか管理できていない」と語った。「つまり、国土の40%が無法地帯になっている、ということです...」

またイスフ氏は「ブルキナファソ軍は安全保障、人道、政治、経済を含む複数の危機に直面している」と説明した。「無法地帯で生活する数百万人の市民がジハード主義者の暴力に怯えています...」

先週末に北部スム県の郊外の村で発生したジハード組織による襲撃事件では、市民少なくとも89人が虐殺された。地元メディアは「犠牲者の多くがナタや斧のような刃物で切り刻まれていた」と報じている。

イスフ氏はこの大量虐殺事件に言及し、「これらの痛ましい事件が、この国の安全保障が機能していないことを証明している」と述べた。

ブルキナファソを含む西アフリカ諸国はサハラ砂漠以南のサヘル地域に拠点を置くアルカイダとイスラム国(ISIS)系組織の暴力に悩まされている。

サヘル紛争(マリ北部紛争)で死亡した民間人と兵士は2000人を超え、約190万人が避難を余儀なくされた。

今年1月の軍事クーデターで政権を奪取した軍指導部は3年後に選挙を実施するとECOWASに通知している。

暫定大統領のダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐はカボレ(Roch Kabore)大統領を追放した後の演説で、「政府は反政府勢力の暴力に対処できていなかった」と述べ、新政府は治安の回復を最優先すると国民に約束した。

しかし、暴力は収まる気配を見せず、各地で治安部隊や民間人に対する攻撃が相次いでいる。

ECOWASはブルキナファソを加盟停止処分とし、ダミバ大佐に民政復帰に向けた準備を速やかに開始すよう促し、要求に応じなければ制裁を科すと警告している。

2015年6月3日/ブルキナファソ東部(Getty Images/AFP通信)
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