◎米国はブルキナファソの最大の援助国であり、2020年には約2億1,300万ドル(240億円)を援助した。
2022年1月25日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグーで開催された軍事政権を支持するデモ(Getty-Images/AFP通信)

2月1日、米国の政府機関は西アフリカのブルキナファソに対する4億5,000万ドル(約510億円)の経済援助を一時停止すると発表した。

ミレニアムチャレンジ会計(MCA)を管理するミレニアム・チャレンジ・コーポレーション(MCC)は1月23日の軍事クーデターとロック・マルク・クリスチャン・カボレ大統領の拘束に懸念を表明し、「統治基準を満たす国々に提供している助成金と開発援助を一時的に停止する」と明らかにした。

MCAは2002年に創設された特別会計で、援助を受けるためには定められた指標の半分以上をクリアする必要がある。

反乱軍は1月23日に首都ワガドゥグーの主要な軍事基地を占領し、24日の声明でカボレ大統領を拘束し国の支配権を奪取したと宣言した。

保護と回復のための愛国運動党を率いるポール=アンリ・サンダオゴ・ダミバ中佐は27日に放送されたテレビ演説の中で、「軍事政権は国の安全と秩序を取り戻す」と述べ、新政府を裏切る者は決して許さないと警告した。

バイデン政権は1月23日の事件がクーデターに相当するかどうかを検討しており、MCCの決定は政府がとった最初の行動と見なされている。国務省は合衆国憲法に基づき、民主的な選挙で選出された代表が違法な手段で追放されたと判断した場合はすべての援助を停止する。

国務省のネッド・プライス報道官は1日の定例会見で、「当局はブルキナファソの事件を注意深く見守っており、すべての関係者に抑制を呼びかけている」と述べた。

ブルキナファソの米国大使サンドラ・クラーク氏はAP通信のインタビューの中で、「米国とブルキナファソ政府は拘束されたカボレ大統領の解放と秩序の回復を望んでいる」と語った。

MCCのウェブサイトによると、米国はブルキナファソの最大の援助国であり、2020年には約2億1,300万ドル(240億円)を援助したという。

ブルキナファソは隣国マリの北部で進行中のサヘル紛争に深く関与しており、米国の人道援助と開発援助だけでなく、フランス軍の航空支援、監視支援、諜報支援、訓練支援なども受けている。

米国の元外交官であるエリザベス・シャッケルフォード氏は1日、ソーシャルメディアに、「ブルキナファソの軍事政権が国際社会の援助を受ける可能性はほとんどない」と投稿し、懸念を表明した。

西アフリカを統括するECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)も1日にブルキナファソを加盟国から一時的に除外した。

ECOWASの代表団は1月31日にブルキナフォソを訪問し、軍の指導部に民主的な政府を速やかに形成するよう求めた。ECOWASは2月3日に緊急サミットを開催する予定で、何かしらの行動に出ると予想されている。

サンダオゴ・ダミバ中佐はジハード主義者の暴力を阻止すると国民に約束し、国際社会に協力を呼び掛けている。

サヘル紛争の戦死者は数千人、戦闘の影響で国内外避難民になった西アフリカの市民は150万人と推定されている。

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