◎ブルキナと隣国マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
2019年3月3日/ブルキナファソ軍の兵士(Luc Gnago/ロイター通信)

ブルキナファソの治安当局は16日、北部地域をパトロールしていた陸軍兵士と民兵少なくとも40人が武装勢力に殺害されたと明らかにした。

北部地域の部隊を管理する軍政の支部はAP通信の取材に対し、「武装勢力はサヘル地域の集落近くでパトロール隊を襲撃し、陸軍の兵士6人とボランティア兵(軍隊を支援する民間人)少なくとも34人を殺害した」と語った。

それによると、33人が負傷し、近くの保健所で治療を受けているという。

軍政は今週国内のテロ組織と戦うために必要なすべての手段を行使すると宣言し、国家総動員法を発令した。

ブルキナと隣国マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。

ブルキナで2015年以降の紛争に巻き込まれ難民になった民間人は200~300万人と推定され、1万人以上が死亡したと考えられている。

今月初めには北部スム県の2つの集落が過激派の攻撃を受け、住民少なくとも44人が殺害された。

昨年9月の軍事クーデターを率いたラオレ(Ibrahim Traore)大尉は過激派に奪われた領土を「征服」し、国の安全を確保すると約束した。しかし、過激派は攻勢を強め、市民数十万人が占領地に閉じ込められている。

アナリストは「軍政に対する国民の不信感がテロ攻撃の急増で急速に高まっている」と指摘している。

APはモロッコのシンクタンク「ポリシーセンター(Policy Center for the New South)」の話として、「軍政の支持者は治安の問題に効果的に対処できないトラオレ政権の能力に疑問を持ち始めている」と伝えた。

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