◎仏政府は先月末、ブルキナからの要請に基づき、1カ月以内に部隊を撤退させると発表した。
ブルキナファソの軍事政権を率いるトラオレ(Ibrahim Traoré)大尉は4日、駐仏軍に撤退を命じたにもかかわらず、フランスとの外交関係を維持すると表明した。
仏政府は先月末、ブルキナからの要請に基づき、1カ月以内に部隊を撤退させると発表した。
国営テレビはトラオレ氏の発言を引用し、ロシアの民間軍事会社ワグネルがブルキナで影響力を強めているという西側メディアの報道を否定した。
トラオレ大尉は「ワグネルがロシアにいるという報道を見て驚いた」と語った。「報道を見てびっくりしました。私は部下に聞くと、そうなんですか?どこにいるんですか?と言いました。その後、ワグネルはどこかのホテルにいるんじゃないか、という話が出てきました...」
トラオレ氏は自軍とワグネルが契約を結ぶという噂を否定した。
ブルキナではイスラム過激派の暴力が急増し、軍は領土の40%を失ったと推定されている。国民は首都ワガドゥグの駐仏軍が過激派を放置していると非難し、各地で反フランス感情が高まっている。
仏政府はワガドゥグに駐留する特殊部隊を1カ月以内に撤退させる予定だ。
しかし、トラオレ氏はフランスとの外交関係は損なわれていないと主張した。「在ブルキナ・仏大使館はワガドゥグにあります。フランスにもブルキナの大使館があります。多くのフランス人がブルキナで生活しています。我々は彼らの命と生活を守るために必要なことをします。我々とフランスの関係は何も変わりません...」
トラオレ氏は「駐仏軍撤退は協定の問題を正すものであり、フランスの関係は悪化せず、断交もない」と言明した。
駐仏軍は撤退を約束したが、各都市では反フランス・親ロシアデモが続いている。
ブルキナを含むサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっており、2015年以降の紛争に巻き込まれた民間人は数百万人に達し、少なくとも200万人が難民になったと推定されている。
国連は一連の紛争で民間人少なくとも5000人が殺害されたと見積もっているが、正確な死者数を把握することは不可能である。
ブルキナにおける犠牲者の増加と軍政に対する怒りはクーデターに発展。ブルキナでは昨年2度軍事クーデターが発生し、9月末に政権を奪取したトラオレ氏は世界最年少の大統領になった。