◎サヘル地域で進行中の紛争はこの数カ月で激しさを増し、多くの民間人と兵士が犠牲になった。
2022年1月23日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグー、反乱軍の兵士(Sophie Garcia/AP通信)

ブルキナファソの首都ワガドゥグーで30日、銃声が鳴り響き、国営テレビが放送を停止した。

報道によると、市内では「反乱軍が大統領府に攻め込んだ」という噂が流れている。大統領代行のダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐の統治に反対するデモ隊は平和を訴えた。

軍は今年1月、国の治安を維持できなかったとしてカボレ(Roch Kabore)大統領を追放した。大統領代行に就任したダミバ氏は治安の回復を目指すとしているが、イスラム過激派の攻撃を抑えることはできていない。

AP通信によると、ダミバ氏の所在は不明。政府はフェイスブックにダミバ氏の声明を投稿し、平静を保つよう促した。

大統領府報道官は、「平穏と静けさを取り戻すための交渉が進行中である」と投稿しているが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。「我が国を攻撃している敵はブルキナの分裂を望んでいます...」

ワガドゥグーの市民は過激派の暴力が増加する中、誰が今、この国を支配しているのか、情報を待っている。

軍は今週、北部の町に支援物資を運んでいた輸送隊の車両150台が武装勢力の攻撃を受け、兵士少なくとも11人が死亡、市民50人が行方不明になったと発表した。このテロもサヘル地域に拠点を置く過激派の犯行とみられるが、詳細は不明である。

国連は30日、深刻な懸念を表明した。

ダミバ氏は先週、ニューヨークの国連総会で演説し、「国際社会は1月のクーデターを非難するだろうが、これは我が国の存亡をかけた問題であり、理解してほしい」と弁明した。

西アフリカではこの2年、クーデターが相次ぎ、マリとギニアでも軍事政権が発足した。

ダミバ氏は一般討論演説の中で「この体制をあと2年は維持する」と述べる一方、選挙の日程には言及しなかった。マリとギニアも同様である。

ブルキナの市民は過激派の暴力に対処できなかった前政権に不満を抱き、クーデターを支持していた。しかし、軍事政権になっても暴力は収まらず、むしろ激しさを増しているようにみえる。ダミバ氏は今月初めに国防相代行を解任し、その職を引き継いだ。

ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)によると、ブルキナ軍は国土の60%しか管理できておらず、残り40%は過激派の支配下に置かれている。

サヘル地域で進行中の紛争はこの数カ月で激しさを増し、多くの民間人と兵士が犠牲になった。国連によると、マリ、ニジェール、ブルキナファソで今年イスラム過激派に殺害された民間人は7月末時点で2000人を超え、昨年の通年を上回った。

2022年3月2日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグーの政府庁舎、ダミバ中佐(Getty Images/AFP通信)
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