◎ダミバ中佐は1月23日の軍事クーデターを指揮した。
2022年1月24日/ブルキナファソ、反乱軍のポール=アンリ・サンダオゴ・ダミバ中佐(Getty Images/AFP通信)

2月11日、西アフリカのブルキナファソは反乱軍の指導者であるポール=アンリ・サンダオゴ・ダミバ中佐を大統領に指名すると発表した。

反乱軍は1月23日に首都ワガドゥグーの主要な軍事基地を占領し、24日の声明でロック・マルク・クリスチャン・カボレ大統領を拘束し国の支配権を奪取したと宣言した。

保護と回復のための愛国運動党を率いるダミバ中佐は先月末に放送されたテレビ演説の中で、「軍事政権は国の安全と秩序を取り戻す」と約束し、新政府を裏切る者は決して許さないと警告した。

AP通信によると、ダミバ中佐は2月16日に宣誓する予定だという。

ダミバ中佐はアルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのあるジハード主義者のテロ攻撃を抑えるためには軍事政権が必要と主張している。

ブルキナファソと国境を接するマリ北部で進行中のサヘル紛争は地域全体に深刻な影響を与えており、これまでに地域全体で数千人が死亡、約150万人が避難民になった。

フランスが主導するアフリカ連合軍はジハード組織の取り締まりを進めているが、紛争が終結する見通しは全く立っていない。

ダミバ中佐は政権奪取後、軍の最高責任者に就任し、地方行政官を解任し、条件が整えば憲法を回復させると約束した。

現地メディアによると、ダミバ中佐は政治家、市民団体、国際社会の代表者らと会談し、一部から支持を得たという。

ダミバ中佐は先週、暫定政府の運営や選挙スケジュールなどを調整する技術委員会を創設した。AP通信によると、同委員会は数週間以内に国の民主主義と治安を回復させる具体的な取り組みを発表する予定だという。

軍事政権は今のところブルキナファソ全土で支持を集めているように見えるが、国際社会はクーデターを非難している。

西アフリカを統括するECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)は先週、ブルキナファソを加盟国から一時的に除外したが、制裁を科すには至らなかった。ECOWASは民主主義と憲法の回復を要求している。

報道によると、カボレ大統領は首都ワガドゥグーの自宅に軟禁されているとのこと。米国は先週、ブルキナファソに対する4億5,000万ドル(約510億円)の経済援助を一時停止すると発表した。

スポンサーリンク