◎ブルキナファソの軍事政権は先月、ジハード組織から国民を守ると宣言したが、戦闘が収まる気配はみられない。
2022年4月20日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグー郊外の軍事基地入り口(Amadou Keita/ロイター通信)

ブルキナファソ政府は24日、北部でイスラム過激派と思われるジハード組織が軍を攻撃し、兵士9人を含む15人が死亡したと発表した。

北部サヘル地域で活動する部隊の報道官によると、ジハード組織は24日早朝に攻撃を仕掛け、少なくとも15人が死亡、20数人が負傷したという。

軍はサヘル地域で治安維持活動を行っている。

フランス主導のアフリカ連合軍は2012年からマリ北部のサヘル地域で活動するアルカイダやイスラム国(ISIS)関連のジハード組織と戦っている。犠牲者は民間人込みで数千人、150万~200万人が避難民になったと推定されている。

ブルキナファソの軍事政権は先月、ジハード組織から国民を守ると宣言したが、戦闘が収まる気配はみられない。

AP通信によると、ジハード組織は今月初め、北部と中部地方の部隊を襲撃し少なくとも16人を殺害、先月末までの2週間で少なくとも40人を殺害したという。

1月末の軍事クーデターで政権を奪取し、先月新政権を発足させた軍指導者はサヘル地域を含む全国の治安を改善するために奮闘している。

政府は先週、ジハード組織の活動に関与する市民を呼び戻すために、部族の首長らと協議する場を設けると発表した。

しかし、部族の首長たちは軍事政権が具体的な方針を示していないことに懸念を表明している。

中部の部族を率いるリポタコ首長は24日、AP通信の取材に対し、「状況は複雑で、やみくもに交渉を行っても意味がない」と指摘した。「軍事政権は交渉で問題を解決できると思っています。ジハード組織の真意は分かりませんが、彼らが対話を望んでいないことは確かです」

紛争アナリストによると、「無差別攻撃は過激派の持続的な活動を示すものであり、それが頻発するということは、ジハードを封じ込め鎮圧する政府の能力に問題があることを意味する」と指摘している。

2022年3月2日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグーの政府庁舎、ポール=アンリ・サンダオゴ・ダミバ中佐(Getty Images/AFP通信)
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