◎西アフリカ諸国の中で仏軍に撤退を命じた国はマリに次いで2カ国目。
ブルキナファソの軍事政権は21日、在仏軍に対し、1カ月以内に国外に退去するよう命じた。
西アフリカ諸国の中で仏軍に撤退を命じた国はマリに次いで2カ国目。仏軍は昨年、マリから完全撤退した。
国営テレビは軍報道官の話を引用し、「指導部は仏軍撤退を18日に決めた」と報じている。
首都ワガドゥグーでは仏軍の撤退とロシアとの関係強化を求める抗議デモが続いている。在ブルキナ・仏大使館周辺で先週行われたデモには数百人が参加した。
仏メディアによると、ブルキナに駐留する兵士は約400人ほどで、マリに比べるとはるかに少ないという。
フランスはマリとブルキナの旧宗主国であり、サヘル地域で活動するイスラム過激派に対する「バルハン作戦」を2014年に開始。マリ、ブルキナ、チャド、モーリタニア、ニジェール軍を支援してきたが、昨年8月にマリから部隊を完全撤退させた。
仏軍の主力部隊は現在、ニジェールとチャドに駐留している。
ブルキナでは国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのあるイスラム過激派が各地で活動を続け、市民200万人が避難民となり、民間人数千人が殺害されたと推定されている。
アナリストはブルキナ軍単独で過激派に対処できる可能性は低いとみている。
マリも同様だが、マリ軍はロシアの民間軍事企業ワグネルと契約を結び、過激派討伐を進めているとされる。
ブルキナは独立から60年以上経った今でもフランス語を公用語とし、フランスとの強い結びつきを維持している。しかし、過激派の攻撃が激化するにつれ、反フランス感情が急激に高まった。
昨年9月の軍事クーデターで前軍事政権を打倒したトラオレ(Ibrahim Traoré)大尉はロシアとの関係強化を示唆している。
マリ国内で活動するワグネルの傭兵は過激派だけでなく民間人も虐殺したと告発されている。
ブルキナ軍の発表はロシアとの関係強化を求めるデモ隊に歓迎された。
ワガドゥグーの抗議デモに参加した男性はAP通信の取材に対し、「フランス軍は強力な兵器と装備を持っているのに、テロ撲滅の手助けをしてこなかった」と語った。「もうフランス軍は必要ありません。私たちの大統領はテロリストを倒す新たな計画を準備しています...」