◎アフリカの指導者数人とポルトガルの大統領が参列した。
アンゴラの首都ルアンダで28日、先月スペインで死去したドスサントス(Jose Eduardo dos Santos)前大統領の国葬が執り行われた。
報道によると、アフリカの指導者数人とポルトガルの大統領が参列した。
この国葬はドスサントス氏の娘がアンゴラで葬儀を行うことに反対したため、政治的な問題に発展した。
ドスサントス氏は米ソ代理戦争と呼ばれるアンゴラ内戦で米国や南アフリカなどの支援を受けた故サヴィンビ(Jonas Malheiro Savimbi)氏率いる反政府武装勢力と戦った元兵士であり、アンゴラがポルトガルから独立して間もない1979年に大統領に就任。鉄の拳で国を統治し、2017年5月に退任した。
ドスサントス氏の娘で「王女」と呼ばれるイサベル(Isabel)氏は2016年に国営石油会社のトップに就任したものの、複数の汚職事件で起訴されている。
息子も汚職で逮捕され、2019年に収監された。
葬儀会場の近くには多くの市民が集まり、ドスサントス氏に敬意を表した。ある男性は同氏の顔が描かれたTシャルを着ていた。
AFP通信の取材に応じた女性は、「彼はアンゴラのために多くのことをしてくれた偉大な指導者だった」と語った。
ドスサントス氏の葬儀は国政選挙の数日後に行われた。
選挙管理委員会によると、与党アンゴラ解放人民運動(MPLA)が政権を維持するとみられる。最多投票の政党の党首が大統領に就任するため、現職のロウレンソ(Joao Manuel Goncalves Lourenco)大統領が再選する見通しだ。
しかし、野党アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)は同委員会が公表した暫定結果を拒否している。
当局は外国の首脳も国葬に参列するという理由で抗議デモを行わないよう野党や地元住民に求めている。
地元メディアは警察トップの声明を引用し、「27日と28日に活動を予定しているすべての市民、市民団体、組織に対し、前国家元首への敬意を表し、活動を自粛するよう求める」と報じた。
ドスサントス氏の家族によると、同氏はスペインに埋葬されることを望んでいたという。
ロイター通信は情報筋の話を引用し、「ドスサントス氏は自分の死が政治利用されることを恐れていた」と報じている。
現職のロウレンソ大統領は反汚職キャンペーンを積極的に展開し、ドスサントス家を追及しているため、汚職事件で起訴されている娘のイザベル氏と妻はスペインで亡命生活を送っている。
スペインの裁判所は今月、ドスサントス家の訴えを退け、遺体をアンゴラに戻すよう命じた。