◎国連によると、アルジェリアは2014年以降、数万人の亡命希望者を国外追放したという。
2022年9月8日/アルジェリアのバス停、ニジェール行きのバスを待つ亡命希望者たち(Ryad Kramdi/AFP通信/Getty Images)

アルジェリアのメディアは8日、西欧を目指す亡命希望者847人がニジェールに強制送還されていると報じた。

AFP通信によると、847人の大半がナイジェリア人。そのうち40人が女性、同伴者のいない子供が74人。

ニジェールで活動する人道支援団体はAFP通信の取材に対し、「子供74人は保健省の保護下に置かれている」と説明した。

また、847人は今週初めにニジェール入りし、「ナイジェリアに戻るかどうかが決まることになる」とした。

国連によると、アルジェリアは2014年以降、数万人の亡命希望者を国外追放したという。

難民を含む亡命希望者は「難民の地位に関する1951年の条約 」に基づき、庇護を求める権利を保障されている。

ユニセフによると、ある女性はアルジェリアで物乞いをし、稼いだお金を自国の母親に送金していたという。この女性は6月に逮捕され、今回ニジェールに送還された。

アルジェリア入りする亡命希望者の一部はそこで生活する道を選ぶが、大半は西欧を目指して地中海に漕ぎ出す。

アルジェリアで活動する人道支援団体や国際NGOは、政府がサハラ以南のアフリカ人を恣意的に逮捕し、まとめて国外追放し、時には砂漠に置き去りにすることもあると非難している。

アルジェリアに難民・移民を保護する法律はないため、こうした非難を却下している。

国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」によると、アルジェリアから追放された移民の数は年々増加しており、2020年は確認できているだけで2万3171人、昨年は2万7208人に達した。

今年1月~5月の間に追放された移民は約1万4200人。今年も過去最多を更新するとみられる。

スポンサーリンク