◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン軍政を率いるブルハン将軍(左)と即応支援部隊のダガロ司令官(Getty Images)

スーダン軍政を率いるブルハンAbdel Fattah al-Burhan将軍が4カ月ぶりに首都ハルツームを離れ、公の場に姿を現した。現地メディアが28日に報じた。

軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。サウジと米国が仲介した最新の停戦合意は6月に失効し、多くの地域で戦闘が激化した。

報道によると、ブルハン氏は東部沿岸の都市ポートスーダンを訪問し、演説を行ったという。

ブルハン氏は演説の中で、「海軍と空軍の合同作戦により、ハルツームからこの地まで安全に移動することができた」と語った。この移動中、陸軍兵士2人がRSFの攻撃を受け死亡したという。

ブルハン氏は4月中頃からハルツームの軍司令部にとどまり、指揮を執っていたとみられる。RSFは軍司令部を包囲したとみられるが、戦況はほとんど明らかになっていない。

ブルハン氏は演説の中で、「RSFを含む裏切り者や外部の関係者と接触するつもりはなく、考えてもいない」と強調した。

国連の推計によると、一連の戦闘に巻き込まれ死亡した民間人は4000人を超えた可能性があるという。しかし、現地の医師や活動家はこれをはるかに上回る死者が出ていると報告している。

一方、RSFを率いるダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官は27日、和平交渉再開に向けた構想を発表した。

この案は10項目の計画で構成され、▽恒久的な停戦▽民主的な選挙の実施▽国家統一軍の創設などを求めている。

米国とサウジアラビアの仲介によるジッダの和平交渉は5月から6月にかけて行われた。しかし、紛争当事者は相手が停戦協定を破っていると非難し合い、交渉は6月下旬に打ち切られた。

4月の開戦以来、少なくとも9回、停戦・和平交渉が行われたが、いずれも失敗に終わっている。

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