トーゴ首都の反政府デモで7人死亡、人権団体が発表
12の市民団体および人権団体は共同声明で、治安部隊は恣意的に市民を逮捕し、棒やムチで市民を殴打し、私有財産を盗み、破壊したと主張した。
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アフリカ西部・トーゴの首都ロメで週末に行われた反政府デモで7人が死亡した。地元の人権団体が6月30日、明らかにした。
それによると、治安部隊はこん棒、催涙ガス、ムチなどでデモ参加者を執拗に暴行したという。
デモ隊はニャシンベ(Faure Gnassingbe)大統領が事実上、無期限に権力を維持できるようになったことに抗議するため、26日からデモを開始した。
ソーシャルメディアで拡散された動画には治安部隊が市民を殴打する様子が映っていた。
12の市民団体および人権団体は共同声明で、治安部隊は恣意的に市民を逮捕し、棒やムチで市民を殴打し、私有財産を盗み、破壊したと主張した。
また団体はロメの東方に位置する地区で27日に3人の遺体が見つかったと明らかにした。
さらに、別の地区にある湖でも2人の兄弟の遺体が見つかり、警察が捜査している。
警察は湖で遺体が見つかったことを確認したが、暴行を受けた痕跡はなく、死因は溺死と説明している。
政府は29日の声明で治安部隊の対応を称賛し、略奪や放火に関与したとして数人が逮捕されたと明らかにしていた。
通信当局はロメ市内のインターネットを制限。一時的にSNSにアクセスできなくなった。
野党、市民団体、SNSインフルエンサーたちは今月初めに政府が抗議デモを妨害したことを受け、6月26日、27日、28日に集会を行うと呼びかけていた。
トーゴは昨年の憲法改正で大統領選を廃止。これにより、大統領は直接選挙ではなく、議会で選出されることになった。
ニャシンベ氏の与党UNIRは議会(一院制、定数91)を支配している。
この憲法改正により、大統領の任期は5年から6年となり、再選が禁じられた。
ニャシンベ氏の任期は2025年まで。しかし、父親から引き継いだこれまでの20年間はカウントされないため、2031年まで政権を維持できる。
またニャシンベ氏は先月、閣僚評議会の議長に就任した。議長に任期制限はないため、ニャシンベ氏は退任以降も同国の事実上の統治者であり続ける可能性がある。
トーゴの人口は約800万人。ニャシンベ氏と父親のエヤデマ(Gnassingbé Eyadema)前大統領による統治期間は60年を超えた。