◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は今年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン西部ダルフール地方(Getty Images/AFP通信)

スーダン中東部ワドメダニで戦闘が激化し、市民最大30万人が避難を余儀なくされた。国連が21日、明らかにした。

戦闘は15日に勃発。ワドメダニ東部の軍事基地近くに準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が入り、国軍と銃撃戦になったとされる。

軍政とRSFは今年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。サウジと米国が仲介した停戦合意は6月に失効し、多くの地域で戦闘が激化した。

一連の戦闘による死者は1万人近くに達したと推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、実際の死者数はこれよりはるかに多いとみられる。

軍政はワドメダニに配備していた部隊が撤退したと発表している。

国際移住機関(IOM)によると、ワドメダニの住民25万~30万人が周辺の3州に徒歩で避難したとみられる。その多くが国連やNGOの避難民キャンプに身を寄せているようだ。

ワドメダニは同国第2の都市。人口約22万人。ハルツームの南東約140キロに位置する。

IOMによると、ワドメダニとその周辺地域の人口は500万~600万人。軍政とRSFの戦闘が始まって以来、ハルツームからこの地域に約50万人が避難したとされる。

ワドメダニの避難民キャンプはハルツームの市民を約9万人受け入れていた。

世界食糧計画(WFP)は20日、ワドメダニで戦闘が激化しているとして、同地域への食料支援を一時的に停止したと発表した。

WFPはこの地域に身を寄せる避難民約80万人に支援を提供していた。

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