◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
アフリカ北東部・スーダンの首都ハルツームが2日連続で空爆を受け、200人近くが死亡、大勢が負傷した。現地メディアが11日に報じた。
それによると、軍事政権は9~10日にかけてハルツーム市内の複数の施設を空爆したという。
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、少なくとも1160万人が避難を余儀なくされ、うち310万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
ハルツームの大部分はRSFの支配下にあるとみられる。
最初の空爆は郊外の市場が標的になったとされ、地元の人権団体によると、女性や子供を含む少なくとも100人が死亡、大勢が負傷したという。
さらに、市内に向かっていた旅客バスに砲弾が直撃し、乗客乗員22人全員が死亡した。軍政はRSFが砲撃したと主張している。
さらに、ハルツームとオムドゥルマンの境界付近で大きな爆発があり、少なくとも65人が死亡したと伝えられている。オムドゥルマンは軍政の管理下にある。
10日にはハルツーム市内で軍政とRSFの部隊が衝突。人権団体は「この数カ月で最も地上戦が繰り広げられており、多くの市民が街を離れている」と報告した。
軍政は紅海沿岸の都市ポートスーダンに本拠を置き、ハルツームの奪還を目指している。