◎アフリカ北西部からカナリア諸島を目指す亡命ルートは世界で最も危険な航路のひとつとされ、数えきれないほどの命を奪ってきた。
スペイン、カナリア諸島のビーチ、亡命希望者と警察官(Getty Images)

アフリカ北西部・スペイン領カナリア諸島に過去3日間で移民1000人以上がボートで到着した。スペイン沿岸警備隊が5日、明らかにした。

それによると、その大半がサハラ砂漠以南の国々から西欧への亡命を希望する移民。沿岸警備隊は過去3日間で18隻のボートがカナリア諸島に到着し、数人の死亡を確認したとしている。

アフリカ北西部からカナリア諸島を目指す亡命ルートは世界で最も危険な航路のひとつとされ、数えきれないほどの命を奪ってきた。

その多くがモーリタニアやセネガルを出港。ガンビア、モロッコ、西サハラから出港する船もいる。

スペイン当局によると、カナリア諸島に先月到着した移民は7270人。2023年上半期とほぼ同数であった。

スペインのサンチェス(Pedro Sánchez)首相とEUの執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は8日にモーリタニアを訪問し、政府に移民の出国を抑制するよう働きかける予定だ。

スペインとEUはモーリタニアおよび隣国セネガルと移民に関する協力協定を結んでおり、その数を減らすための措置を導入している。

しかし、サハラ以南の紛争地などから逃れた多くの若者たちが人身売買組織の助けを借りて、一発勝負の危険な旅に出ている。

スペイン内務省によると、昨年、船で同国に到着した移民は過去最多の5万5618人。そのほとんどがカナリア諸島であった。

スペインのNGO「カミナンド・フロンテラス(Caminando Fronteras、CF)」は昨年同国沖で死亡した移民が6600人を超え、22年の2倍以上に急増したと報告している。

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