◎はしか(麻疹)は世界で最も感染力の強い感染症のひとつである。
パキスタン、はしか(麻疹)ワクチンを接種する少女(Getty Images)

世界保健機関(WHO)は14日、昨年のはしか(麻疹)感染者が1000万人を超え、22年比で20%増加したと明らかにした。

WHOと米疾病対策センター(CDC)によると、はしか患者の急増はワクチン接種率の低下を反映しているという。

はしかは世界で最も感染力の強い感染症のひとつである。集団感染を防ぐためにはワクチン接種率を95%以上に高める必要である。

しかし、WHOによると、昨年世界ではしかワクチンの初回接種を受けた子供は83%にとどまったという。これは22年と同じ水準、パンデミック前の86%から低下している。

昨年2回目の接種を受けた子供はさらに少なく、74%であった。

WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は声明で、「はしかワクチンは過去50年間、他のどのワクチンよりも多くの命を救ってきた」と述べた。

またテドロス氏は「さらに多くの命を救い、はしかが最も弱い立場にある人々に害を及ぼすのを食い止めるために、ワクチンに投資しなければならない」と強調した。

WHO/CDCの調査によると、ワクチン接種の「格差」が進んだ結果、23年には57カ国ではしかが大流行したという。22年は36カ国であった。

はしかは南北アメリカ大陸を除くすべての地域で確認され、感染者の半数近くがアフリカ大陸で報告されている。23年には10万7500人が死亡したと推定され、そのほとんどが5歳未満であった。

昨年末時点で82カ国がはしか排除を達成または維持している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク