◎空爆は18日未明に行われ、西部ラカイン州郊外の集落が標的になった。
ミャンマー、西部チン州(ロイター通信)

国連のグテレス(António Guterres)事務総長は18日、ミャンマー軍政の空爆で少数民族ロヒンギャ少なくとも25人が死亡したと地元メディアが報じたことを受け、暴力の激化に深刻な懸念を表明した。

報道によると、空爆は18日未明に行われ、西部ラカイン州郊外の集落が標的になったという。

この空爆で少なくとも25人が死亡したとされる。軍政はコメントを出していない。

グテレス氏は声明で、ミャンマーにおける紛争激化と情勢悪化に深刻な懸念を表明した。

またグテレス氏は「あらゆる形態の暴力を非難し、国際人道法に従い、活動家を含む民間人の保護、敵対行為の即時停止、人道的アクセスを改めて求める」と述べた。

軍政は2021年2月にアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏を追放して以来、最大の試練に直面している。

ラカイン族の武装集団「アラカン軍」やチン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は昨年10月、中国国境に近いシャン州北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。

民主派勢力の支配地域は拡大し続け、中国国境沿いの北東部の広い範囲を占領。投降した一部の兵士を取り込むことに成功した。

地元の独立系メディアとNGOがまとめた報告によると、21年のクーデター以来、1652回の空爆で民間人936人が死亡、878人が負傷したという。

また137の宗教施設、76の学校、28の病院や診療所が空爆によって被害を受けたという。

今回空爆を受けたロヒンギャの集落は第2の都市マンダレーの南西約340キロに位置する。

AP通信は目撃者の話しとして、「軍政の戦闘機は18日の午前1時30分頃に飛来し、爆弾を少なくとも2発投下した」と伝えている。

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