◎これまでに15人が死亡、30人が重軽傷を負い入院中。
2022年8月5日/タイ、首都バンコク郊外のナイトクラブ店内(Anuthep Cheysakron/AP通信)

タイの裁判所は8日、先週末のナイトクラブ火災で起訴されたオーナーの保釈を認めた。

火災は南東部チョンブリ県郊外のナイトクラブ「マウンテンB」で5日未明に発生した。これまでに15人が死亡、30人が重軽傷を負い入院中。

消防は出火原因を調査中。警察によると、被告は27歳の男で、6日遅くに出頭したという。

被告は無許可で娯楽施設を運営した容疑と過失致死傷罪で起訴された。

過失致死傷罪で有罪が確定すれば、懲役10年以下の実刑に処される可能性がある。

裁判所は追跡装置をつけることを条件に、被告の保釈を認めた。保釈金は30万バーツ(約114万円)。

地元メディアによると、屋内の壁には可燃性の音響フォームパネルが取り付けられていたとみられ、一気に燃え広がった可能性があるという。クラブ内では火災発生時、バンドが演奏を行っていた。

また警察によると、この施設は行政にレストランとして届け出を提出していた。ナイトクラブやライブハウスとして営業するためには、娯楽施設用の届け出が必要。

地元メディアによると、警察と消防の調査は数日続くとみられる。自治体は建築確認検査員を派遣し、建築基準を満たしているかどうかをチェックしている。

警察官に連れられ記者団の前に姿を現した被告は、「犠牲者に謝りたい」と語った。

報道によると、負傷者の多くが重度の火傷を負い、数人が重体だという。亡くなった15人のうち13人は現場で、1人は搬送先で5日に、もう1人は6日に死亡した。

首都バンコクの自治体報道官は6日、「市内の400以上の娯楽施設を緊急点検した結果、安全基準を満たしていない施設が83カ所確認された」と発表した。

報道官は政府の指示を引用し、「安全基準を満たさない施設の営業は認めない」とした。

タイの娯楽施設では火災が頻発している。

バンコクのナイトクラブで2009年に発生した火災では66人が死亡、200人以上が負傷した。オーナーは2011年に有罪判決を受け、収監されている。

2012年には人気観光地プーケットのナイトクラブで火災が発生し、4人が死亡、12人が負傷した。

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