◎不敬罪法は王、女王、その他の王室関係者への名誉毀損、侮辱、脅迫などを禁じ、違反した者に15年以下の懲役を科すことができる。
2021年10月31日/タイ、首都バンコク、不敬罪法の廃止を求める集会(Getty Images/AFP通信)

10月31日、タイの首都バンコクで王室批判を取り締まる法律の廃止を求める集会が開催され、主催者は100万人署名キャンペーンを開始すると発表した。

バンコクの中心部には不敬罪法(タイ憲法第112条)の廃止を求める人々が約3,000人集まったと伝えられている。主催者は王室に対する建設的な意見の取り締まりを批判し、これまでに不敬罪法違反で逮捕された者の起訴を取り下げ、釈放するよう政府に要求した。

不敬罪法は王、女王、その他の王室関係者への名誉毀損、侮辱、脅迫などを禁じ、違反した者に15年以下の懲役を科すことができる。

一部の専門家はこの法律の政治利用を非難しているが、廃止を求める主張も取り締まりの対象になる可能性があると警告した。

タイでは昨年、3つの主要な要求を伴う大規模な抗議デモが全国各地で展開された。人々は2014年の軍事クーデターで権力を掌握したプラユット・チャンオチャ首相の辞任、憲法改正、君主制の改革を求めた。

地元メディアによると、31日の集会を主催した団体の指導部は警察の監視下に置かれているという。団体で活動していた市民の一部は不敬罪法違反などで起訴されている。

団体関係者の女性は集まった人々に、「不敬罪法は王室に対する率直な意見を取り締まり、多くの懸念を引き起こしています」と語った。「王室に意見した人々は不敬罪法違反で拘束されます。より良い未来を求めて発言する学生や社会人の意見を取り締まらないでください...」

演説後、女性はその場で前腕に112という文字を刻んだ。

昨年の抗議は主要な指導者の逮捕、コロナウイルスの制限、君主制に対する様々な論争の影響で今年初めに勢いを失った。

タイ王室の資産は400億ドル(約4兆4,000億円)以上と伝えられており、「世界一裕福な王族」と呼ばれている。ラーマ10世はドイツで悠々自適な生活を送っていたが、昨年10月以来タイ国内にとどまり、イメージの回復に努めている。

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