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▽ペートンタン氏は38歳。昨年、タイ史上最年少の首相となり、世界の注目を集めた。
タイのペートンタン首相(ロイター通信)

タイの議会下院(定数500)は26日、ペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相に対する不信任決議案を反対多数で否決した。

連立与党は議会の過半数を堅持している。

最大野党・前進党はペートンタン政権が低迷する経済、大気汚染、犯罪、汚職など、この国の慢性的な問題の多くに対処できていないと主張。また、ぺートンタン氏が父親であるタクシン(Thaksin Shinawatra)元首相の利益のために働いていると批判し、決議案を提出した。

現地メディアによると、出席議員488人中319人が反対に投じたという。

ペートンタン氏は38歳。昨年、タイ史上最年少の首相となり、世界の注目を集めた。

野党は公職に就いたことのないペートンタン氏の資質に疑問を呈し、様々な圧力をかけてきたが、11党連立政権はこの主張を退けた形だ。

ペートンタン氏は26日、汚職疑惑やタクシン氏の傀儡という野党の主張を改めて否定した。

世論調査でのペートンタン政権の評価はいまひとつで、経済成長率も周辺国に大きく水をあけられている。

26日の採決は11党連立政権が依然として強固であることを示し、断続的な政治的混乱に見舞われてきたこの国が近い将来不安定になるという市場の見通しを低下させた。

ペートンタン氏は採決後、SNSに声明を投稿。「支持も反対も含めた一票一票が、私と内閣が国民のために仕事を続ける力になる」と書いた。

前進党は23年の総選挙で第一党に躍進。2014年のクーデター以来政権を握ってきた親軍派に勝利した。

しかし、首相は軍政が任命した上院(定数250)と下院の投票で選出される。前進党は上院親軍派と交渉したが、連立政権を発足させることはできなかった。

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