◎トゥアントゥアン(Tuan Tuan、オス)は悪性脳腫瘍で治療を受けていた。
2022年11月2日/台湾の台北動物園、トゥアントゥアン(Taipei Zoo)

台湾の首都台北にある台北動物園は19日、悪性脳腫瘍で治療を受けていたジャイアントパンダのトゥアントゥアン(Tuan Tuan、オス)が死んだと発表した。18歳だった。

トゥアントゥアンとパートナーのユアンユアン(Yuan Yuan)は2008年に中国から同園に寄贈された。

同園によると、トゥアントゥアンは今年8月に発作を起こし、検査を受けたという。その結果、脳に悪性とみられる腫瘍があることが分かり、投薬治療を受けることになった。

同園は声明で、「トゥアントゥアンは治療の甲斐なく、体調を大きく崩した」と述べている。いつ死んだかは明らかにしていない。

台湾と中国の関係は2016年に独立派の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統が選出されたことで急速に悪化。2020年に蔡総督が再選を決めると、中国は台湾との接触を断った。

しかし、同園は今月、中国の医療専門家2人を招き、トゥアントゥアンの治療などについて助言を受けた。この2人は四川省にある研究所でパンダの健康と繁殖について長年研究してきたパンダのエキスパートと伝えられている。

同園によると、2人は患部の位置を考慮し、手術は行わないという同園の方針を支持したという。

中国は友好の証としてパンダを関係国に送っている。なお、パンダとそのパンダが産んだ子供の所有権は中国にある。

パンダの貸し出しは外国の動物園に限られており、生まれた子供は数年以内に中国に返還される。

訪台後、トゥアントゥアンとユアンユアンは台北動物園の顔となり、ユアンユアンは2013年にメス、2020年にもメスパンダを出産した。

専門家によると、パンダの発情期は年1回で、メスの妊娠可能期間はわずか数日。それにもかかわらず、パンダは人間並みに選り好みするため、飼育下で相性の良い相手とめぐり合わせることは極めて難しいという。

さらに、オスの繁殖能力は非常に低く、成長したオスの約7割に支配意欲がないと考えられている。

野性のパンダの個体数は約1800頭。その大半が四川省の竹林で暮らしている。世界の動物園や保護区で飼育されているパンダは500頭ほど。

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