◎スリランカは昨年、返済期限を迎えるた対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
2022年5月13日/スリランカ、首都コロンボ、調理用ガスの不足に抗議する人々(Getty Images/AFP通信)

スリランカ政府は14日、経済危機を招いた外貨不足を解消するために、タイとの自由貿易協定締結に向けた取り組みを早急に進めると明らかにした。

政府報道官は記者会見で、「2016年に始まった協議が難航をしていることを承知しているが、政府は今年3月末までに締結を目指すと決意している」と語った。

両国の自由貿易協定に関する協議は2016年に始まり、2018年に2回協議。先月にも代表団が会談している。

政府報道官によると、協定が締結されれば、タイとの貿易規模は5億ドルから15億ドルに拡大するという。

スリランカは昨年、返済期限を迎えるた対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。対外債務は510億ドルを超え、そのうち280億ドルは2027年までに返済しなければならない。

持続不可能な債務、コロナの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、食品、医薬品、その他の生活必需品などが圧倒的に不足している。

スリランカは近隣のインドや中国とも貿易協定を結ぶべく協議を進めている。

政府報道官はウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領の声明を引用し、「タイとの協定はスリランカの貿易、観光、投資を促進し、外貨不足解消を後押しする」と述べた。

スリランカ政府は4年間で計29億ドルの融資を受けることで国際通貨基金(IMF)と暫定合意している。

融資を得るためには中国、インド、パリクラブ(主要債権国会議)を含む債権者と債務再編で合意できるかどうかにかかっている。

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