◎スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
2022年7月15日/スリランカ、首都コロンボの大統領府前(Eranga Jayawardena/AP通信)

スリランカの国会(一院制)が汚職防止法案を全会一致で可決した。地元メディアが19日に報じた。

この法案は今年3月に承認された国際通貨基金(IMF)の救済を受ける条件のひとつである。IMFは9月に最初の審査を行い、約30億ドルを段階的に融資する予定だ。

報道によると、法案は全会一致で可決されたという。

スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。

持続不可能な債務、コロナの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、人口の大部分を占める低中所得者層の多くが厳しい生活を余儀なくされている。

IMFは融資を行うにあたり、政治家や公務員の汚職防止・ガバナンス強化が不可欠と指摘している。

IMFのガバナンス審査報告書は9月に公表される予定。

19日に成立した汚職防止法は贈収賄と汚職の防止・根絶、透明性の向上を目指し、行政に対する国民の信頼を高めることを目的としている。

スリランカの負債総額は830億ドルを超え、そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務である。

昨年の経済危機は食料、医薬品、燃料、調理用ガス、電力不足を引き起こし、大規模な街頭抗議デモに発展。当時のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領は国外に逃亡し、辞任に追い込まれた。

昨年7月にウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領が就任して以来、経済は改善の兆しを見せている。物資不足は緩和、停電は解消され、スリランカ・ルピーも上昇に転じている。

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