◎スリランカは今年、返済期限を迎える対外債務70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
2022年4月2日/スリランカ、首都コロンボのガソリンスタンド、燃料を買い求める人々(Eranga Jayawardena/AP通信)

スリランカ議会は8日、税制改革を含む来年度予算案を可決した。

総額は5兆8200億ルピー(約2兆1600億円)。経済危機の影響を強く受けた貧困層への支援として430億ルピー(約160億円)を計上する。

政府は国際通貨基金(IMF)の提案に基づき、国有企業の再編、電気料金の補助金削減、増税なども予算案に盛り込んでいる。

スリランカは今年、返済期限を迎える対外債務70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。外貨が枯渇した結果、輸入食品・ガソリン・医薬品などの必需品が極端に不足している。

さらに、前政権が有機農業を推進するために化学肥料の輸入を禁じた結果、過去2シーズンの農作物の収穫高は半分以下に落ち込み、食料危機に拍車をかけた。

持続不可能な債務、世界経済の減速、コロナウイルスの影響などにより、燃料、医薬品、食料などの必需品が著しく不足している。

その結果、人口の大多数を占める低中所得者層の大半が崖っぷちに追い込まれ、多くの小売店や企業が倒産し、失業率を押し上げた。

同国の対外債務の総額は510億ドルを超え、そのうち280億ドルは2027年までに返済しなければならない。

ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)前大統領は4月、対外債務の返済を停止すると発表。その後、IMFとの予備的な合意に達した。

経済破綻は政治危機の引き金となり、7月には数千人のデモ隊が大統領官邸を襲撃。ラジャパクサ氏は国外に逃亡し、その後辞任に追い込まれた。

ラジャパクサ氏の後を継いだウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領は燃料や調理用ガスの不足をいくらか軽減したものの、計画停電は今も各地で続いており、輸入医薬品不足が解消される目途も立っていない。

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