◎スリランカは昨年、返済期限を迎えるた対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
2023年2月4日/スリランカ、首都コロンボ、独立75周年を祝うパレード(Dinuka Liyanawatte/ロイター通信)

スリランカの首都コロンボで4日、独立75周年を祝う盛大な軍事パレードに反対するデモが行われ、数百人が抗議した。

スリランカは1948年6月4日にイギリスから独立した。

地元メディアによると、パレードの費用は2億スリランカ・ルピー(約7100万円)と見積もられている。

スリランカは昨年、返済期限を迎えるた対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。対外債務は510億ドルを超え、そのうち280億ドルは2027年までに返済しなければならない。

持続不可能な債務、コロナの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、食品、医薬品、その他の生活必需品などが圧倒的に不足している。

国内の仏教徒やキリスト教の聖職者がパレードに怒りを表明し、参加をボイコット。人権活動家は「無駄遣いしてる場合か!」と声を荒げた。

しかし、ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領は批判をかわし、コロンボ市内の主要な通りでパレードを行うことを決め、女性警察官は銃を持って行進し、海軍は市内の港に軍艦を集め、空軍はヘリを出動させ、独立記念日を盛大に祝った。

抗議デモに参加した男性はロイター通信の取材に対し、「インフレ、通貨の切り下げ、燃料不足、国民は明日の食料を確保することに苦労しています」と語った。「それにもかかわず、政府はパレードを強行しました...」

別の抗議者は「歳出を減らす努力はどこにいった」と語った。「増税パレードを許可した大統領は誰ですか?」

カトリック教会の司祭はパレードを「犯罪と浪費」と評した。

活動家グループは3日、コロンボで抗議デモを開始し、ウィクラマシンハ政権の歳出削減計画および税制改革を非難した。

ソーシャルメディアで共有された動画には機動隊がデモ隊を取り囲み、放水砲を浴びる様子が映っていた。

ウィクラマシンハ氏は2月8日に国会で施政方針演説を行う予定だ。政府は先月、経済危機を乗り切る取り組みの一環として、軍隊の規模を3分の1に縮小すると発表した。

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