◎ウィクラマシンハ政権は今週、3月9日に予定されている統一地方選に必要な予算を割り当てることができないと発表した。
スリランカの首都コロンボで26日、統一地方選の無期限延期に抗議するデモが行われ、数百人が参加した。
AP通信によると、連邦警察はコロンボの大統領府や政府機関周辺でのデモを禁じたという。しかし、デモ隊は大統領府を目指して行進し、機動隊と衝突した。
機動隊は催涙ガスと放水砲でデモ隊を追い払った。APによると、デモ参加者少なくとも15人が負傷し、手当てを受けたという。
コロンボの地方裁判所は昨年7月の抗議デモで大統領府や首相府が攻撃を受けたことを受け、コロンボ中心部でのデモ禁止令を承認した。
ラジャパクサ（Gotabaya Rajapaksa）前大統領は昨年のデモ後、国外に逃亡し、失脚に追い込まれた。
スリランカは昨年、返済期限を迎えるた対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。対外債務は510億ドルを超え、そのうち280億ドルは2027年までに返済しなければならない。
持続不可能な債務、コロナの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、食品、医薬品、その他の生活必需品などが圧倒的に不足している。
ウィクラマシンハ（Ranil Wickremesinghe）大統領は国際通貨基金（IMF）と29億ドルの融資について協議している。IMFは債権者が債務再編に応じた場合のみ、融資を提供するとしている。
インドと他の債権国はIMFの基準を満たす再編に応じる意向を示している。融資が成立するか否かは中国次第である。
ウィクラマシンハ政権は今週、3月9日に予定されている統一地方選に必要な予算を割り当てることができないと発表。これにより、選挙は無期限延期となった。
この地方選は昨年行われる予定だったが、混乱の影響で延期されていた。
ウィクラマシンハ氏はIMFの支援を受けながら歳出削減や税制改革を進めている。
しかし、最新の世論調査によると、回答者のおよそ8割がウィクラマシンハ氏の政策に懸念を示したという。
デモ隊はウィクラマシンハ氏がラジャパクサ氏とその家族を汚職疑惑から守っていると主張している。
