◎スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
2022年7月15日/スリランカ、首都コロンボの大統領府前(Eranga Jayawardena/AP通信)

スリランカウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領は26日、同国の債務170億ドルを削減する国際通貨基金(IMF)の再編プログラムを承認するよう国会議員に要請した。

IMFは融資の条件として、「持続可能な債務再編」をスリランカ政府に求めている。

国会は同日、この再編プログラム法案の審議を開始した。

スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。対外債務は510億ドルを超え、そのうち280億ドルは2027年までに返済しなければならない。

持続不可能な債務、コロナの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、人口の大多数を占める低中所得者層の多くが厳しい生活を余儀なくされている。

地元メディアによると、法案は今週中に可決される見通し。IMFは再編プログラムが承認され次第、約30億ドルを数回に分けて融資する。

ウィクラマシンハ氏は国会演説の中で、「昨年7月に就任した際の借入残高(国債・借入金・政府保証債務現在高)は836億ドルだった」と説明した。

またウィクラマシンハ氏は「対外債務の再編に関する交渉はインド、パリクラブ(主要債権国会議)、中国と個別に実施する」と述べた。

地元メディアは▽救済▽融資条件の変更▽借金帳消しを含む再編交渉が行われていると報じたが、交渉の詳細は明らかにされていない。

スリランカは国内債務も再構築する必要がある。ウィクラマシンハ氏は「必要であれば、政府は地元の銀行や積立金からの借り入れを保護する」と述べた。「IMFの計画が承認されれば、25年間の経済政策ロードマップについて議論を始めることができます...」

同国は昨年、1948年の独立以来最悪の経済危機により、食料、医薬品、燃料、調理ガス、電力不足に直面した。

市民は不満を爆発させ、大規模な街頭抗議デモを展開。当時のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領を辞任に追い込んだ。

ウィクラマシンハ氏の就任以来、経済は改善の兆しを見せている。物資不足は緩和、停電は解消され、スリランカ・ルピーもやや値を戻した。

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