◎スリランカは昨年、返済期限を迎えるた対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
2022年5月10日/スリランカ、首都コロンボの大統領府前(Ishara S Kodikara/AFP通信)

スリランカ政府は13日、経済危機を乗り切る取り組みの一環として、軍隊の規模を3分の1に縮小すると発表した。

国防省は声明で、「来年までに兵士の数を3分の1の13万5000人に減らし、2030年までに10万人にする」と説明した。

また同省は「国防に必要な要員は維持する」と強調した。

政府は2030年までに「技術的・戦術的に健全でバランスのとれた防衛力」を構築すると約束している。

スリランカは昨年、返済期限を迎えるた対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。対外債務は510億ドルを超え、そのうち280億ドルは2027年までに返済しなければならない。

地元メディアによると、持続不可能な債務、コロナの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、食品、医薬品、その他の生活必需品などが圧倒的に不足しているという。

ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領は国際通貨基金(IMF)との救済交渉を円滑に進めるため、増税と厳しい歳出削減を進めている。

世界銀行によると、スリランカ軍の兵士数は2019年の31万7000人でピークに達したという。

反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」との25年にわたる内戦は2009年に終結したものの、軍は分離独立を目指す勢力やイスラム過激派が活動を活発化させているとして、兵士の数を増やし続けてきた。

政府の公式データによると、同国の2021年の歳出における国防部門の割合は2.3%。昨年は2%に減少した。

兵士の給与は全公務員の給与のほぼ半分を占めている。

政府は今週、公務員の給与・年金の支払いに苦労していると警告。経費を徹底的に削減する必要があると訴えた。

昨年の抗議デモは7月の大統領府占領とラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)前大統領の国外逃亡でピークに達した。

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