◎政府は昨年、返済期限を迎えるた対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
スリランカ政府は10日、経済危機を乗り切る取り組みの一環として、経費を徹底的に削減すると発表した。
政府報道官は記者会見で、「各省庁の年度予算を少なくとも5%カットする必要がある」と説明した。
また報道官は国民に対し、経費削減に理解を求め、「政府は対外債務を処理するために最善を尽くしている」と述べた。
連邦議会は先月、税制改革を含む来年度予算案5兆8200億ルピー(約2兆1600億円)を承認した。
これには国有企業の再編、電気料金の補助金削減、増税などが含まれる。
政府は国際通貨基金(IMF)の緊急融資を確保するために、経費を徹底的に削減し、歳入を増やすと宣言している。
スリランカでは現在、持続不可能な債務、コロナの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、食品、医薬品、その他の生活必需品などが圧倒的に不足している。
インフレと物資不足は国民に苦難をもたらし、ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)前大統領を追放する過去に類を見ない劇的な抗議デモに発展した。
後任のウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領は燃料や調理用ガス不足を軽減したが、停電は解消せず、輸入医薬品の不足も続いている。
報道官は記者団に対し、「同国の2022年のGDPは7%減となり、今年の第1四半期の税収は激減すると見込まれる」と語った。「この状況は今年いっぱい続くと思われます...」
また報道官は「外貨が圧倒的に不足し、公務員の給与支払いすらままならない状況だ」と述べた。
政府は公務員160万人の人員整理を迫られている。国民は増税と電気料金の補助金廃止に憤慨しているが、IMFは融資の条件に経費削減を含む「抜本的な改革」を求めている。
政府は昨年、返済期限を迎えるた対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。その後、IMFと予備協定を結び、スリランカの債権者の再編を進めることなどを条件に29億ドルの融資を受けられることとなった。
スリランカの対外債務は510億ドルを超え、そのうち280億ドルは2027年までに返済しなければならない。