◎スリランカは今年、返済期限を迎える対外債務70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
スリランカの中央銀行は21日、8月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比70.2%に達したと発表した。
中銀の公式データによると、食品は前年から84.6%増となった。
スリランカは今年、返済期限を迎える対外債務70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
国の信用は外貨準備の枯渇と債務不履行で失墜し、信用取引で燃料を販売してくれる取引先は激減。政府は石油貯蔵施設が空になりかけているとして、燃料の販売を制限している。
外貨が枯渇した結果、食料、ガソリン、医薬品などの必需品が極端に不足した。また政府は有機農業を推進するために化学肥料の輸入を禁じており、結果、過去2シーズンの農作物の収穫高は半分以下に落ち込み、危機に拍車をかけた。
中銀は先月、「スリランカの経済は猛烈な勢いで減速し、CPIはピークに達したものの、インフレは緩やかに改善する」という楽観的な見方を示していた。
中銀によると、同国のGDPは8月末までの3カ月間で8.4%縮小した。
コロナの拡大前、スリランカは主に観光産業で外貨を獲得していた。
しかし、コロナの国境閉鎖で観光客は遠のき、観光業界に大打撃を与えた。
さらに、前政権の長年にわたる不始末で債務不履行に陥り、スリランカは破産国家と呼ばれるようになった。
政府とIMF(国際通貨基金)今月初め、29億ドルの融資で予備合意に達した。しかし、この融資は民間の債券を保証することを条件としている。
政府は20日、インドと債券再編協議を開始した。インドは長期的な投資も提供すると述べている。
インド政府はすでに40億ドル近い融資を提供している。
またインド政府はスリランカに輸出した商品約12億ドルの支払い期限を延長し、肥料輸入のために与信枠5500万ドルを新たに提供した。
報道によると、スリランカ政府関係者は23日に債権者と会談し、経済問題の程度と債務再編について話し合う予定だという。