◎スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
2022年3月18日/スリランカ、首都コロンボのガソリンスタンド前、燃料を買い求める人々(Eranga Jayawardena/AP通信)

国際通貨基金(IMF)は15日、深刻な経済危機に見舞われているスリランカの成長率が2024年にプラスに転じるという見方を示した。

IMFのアジア太平洋局長は声明で、「スリランカの2023年GDP成長率は3%マイナスとなり、その後はプラスに転じる」と述べている。

スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。対外債務は510億ドルを超え、そのうち280億ドルは2027年までに返済しなければならない。

持続不可能な債務、コロナの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、人口の大多数を占める低中所得者層の多くが厳しい生活を余儀なくされている。

IMFはスリランカへの支援について、「改革の勢いを持続することが重要であり、そのためには官民の連携・関係強化が欠かせない」と指摘した。

IMFは今年3月に約30億ドルの救済プログラムを承認。ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領は現在、外国の債権者と債務再編について協議している。

地元メディアによると、IMFの対応チームは現在、首都コロンボで政府関係者と今後の対応について協議しているという。

昨年初めに勃発した抗議デモは暴動や大統領府の占領に発展。後先考えない借り入れで危機を引き起こしたラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)前大統領はデモ隊の圧力に屈して国外に逃亡し、辞任に追い込まれた。

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