◎台風11号は済州島のリゾート地をかすめ、6日に釜山港近くに上陸した後、北朝鮮沖に向かって北東に進んでいる。
2022年9月5日/韓国、釜山の港(Son Hyung-joo/Yonhap/AP通信)

韓国政府は6日、台風11号が南部の広い範囲に影響を与え、6日未明の時点で2万戸以上が停電し、数千人が避難を余儀なくされたと報告した。

地元警察によると、南部ウルサンで25歳の男性が増水した川に転落し行方不明になったという。

南部ポハン市にある鉄鋼メーカー「ポスコ」の工場では火災が発生したと報告されているが、暴風雨が原因かどうかは不明である。

政府は台風11号の接近により大雨、洪水、土砂崩れ、高潮のリスクが高まっているとして、南部地域に最大級の警戒を呼び掛けている。

首都ソウルでは数週間前の大雨による洪水で14人が死亡したばかりということもあって、自治体は避難所の準備や街路樹・植木の補強などを行い、台風の接近に備えた。

韓悳洙(Han Duck-Soo)首相は台風11号を「この数十年で最も強力な台風になる可能性がある」と指摘し、大雨に弱い低地の住民に台風上陸前に避難するよう呼びかけていた。

韓国と日本の気象庁によると、台風11号は済州島のリゾート地をかすめ、6日に釜山港近くに上陸した後、北朝鮮沖に向かって北東に進んでいる。

済州島の一部地域の雨量は900mmを超えたと伝えられている。死傷者は確認されていない。

政府報道官によると、南部地域では3400人以上が避難を余儀なくされ、約1万4000人が避難指示または勧告を受けたという。インフラ被害はまだ明らかにされていないが、民家少なくとも5戸が浸水したと伝えられている。

休校措置を取った学校は全国で600校を超え、その多くがオンライン授業で対応した。

空の便は250便以上、フェリーは70便以上が欠航となり、6万6000隻以上の漁船が港で台風対策に追われた。6日午前6時現在の停電世帯数は2万334世帯。電力会社は復旧を急ぐとしている。

2022年9月5日/韓国、首都ソウル、植木を補強する男性(Lee Jin-man/AP通信)
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