◎人口置換水準である女性1人当たり2.1人を下回ると人口が減少していく。
韓国の乳児(Ran Kyu Park/AFP通信/Getty Images)

韓国政府によると、同国の2021年の合計特殊出生率は再び世界最低を更新したという。

同国の出生率は2018年に初めて女性1人あたり1人を下回った。人口置換水準である女性1人当たり2.1人を下回ると人口が減少していく。

政府は24日、この数字が0.81まで低下し、6年連続で低下したと発表した。世界の先進国の平均は1.6人、日本は1.3人(2021年)、中国は1.15人となっている。

OECD(経済協力開発機構)は今年、先進国の出生率は過去60年間で著しく低下したと報告している。

韓国の低下の勢いは特に顕著であり、わずか数世代で劇的に減少した。韓国政府の記録によると、1970年代初頭の女性は平均して4人子供を産んでいたという。

人口の減少は国に大きな負担を強いることになる。医療制度や年金などへの負担はもちろん、若年人口の減少は労働力不足につながり、経済に影響を与える。

韓国では2年前に初めて死者数が出生者数を上回り、警戒感が広がった。

専門官によると、韓国の女性は近年、経済・仕事・親族の問題で結婚を避ける傾向が強くなっているという。

政府は24日の声明で、「生活費の上昇、住宅価格の高騰、コロナの感染拡大などが子供を持つことを思いとどまらせている」と述べている。

韓国の女性は高い教育を受けている。しかし、男女の賃金格差は大きく、ほとんどの家庭が家事や育児を女性に任せ、出産後にキャリアを諦めたり、伸び悩んだりする女性が多い。

韓国の女性は日本やインドと同じく、キャリアと家庭のどちらかを選択するよう迫られ、多くが家庭を選択する、または選択させられている。

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