◎同国の法律は500グラム以上の大麻密売に死刑を適用する。
シンガポール、死刑制度に反対するデモ(Getty Images)

シンガポールで16日、大麻の密売で死刑判決を受けた死刑囚の刑が執行された。

同国で死刑が執行されたのはこの3週間で2回目。

死刑制度に反対する団体TJCによると、死刑に処されたのは37歳の男性。裁判所は再審を求める弁護団の訴えを棄却していた。

それによると、この男性は1.5kgの大麻を密売した罪で7年間勾留されたのち、2019年に死刑を言い渡されたという。

同国の法律は500グラム以上の大麻密売に死刑を適用する。

TJCの代表はAP通信の取材に対し、「この殺戮を止める必要がある」と語った。それによると、同国の死刑囚は約600人で、その大半が薬物に関するものだという。

シンガポール政府は昨年、薬物犯罪で有罪となった11人の死刑を執行した。

知的障害者とされるマレーシア人男性の絞首刑は国際的な反響を呼び、同国の死刑制度は人権規約を逸脱していると批判を浴びた。

3週間前、1kgの大麻を密売した罪で死刑を言い渡された46歳男性(シンガポール人)の刑が執行された。

国連や人権団体は「死刑が抑止力になる」というシンガポール政府の主張を否定し、制度の見直しを求めている。

しかし、シンガポール政府は死刑制度が薬物の蔓延を抑え込むうえで重要な役割を果たしていると反論している。

地元メディアが行った世論調査によると、回答者の9割が薬物犯罪の死刑を支持したという。

SNSにも死刑制度を支持する声が寄せられている。「すべて自己責任」「薬物に関わらなければいいだけの話」

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