◎ロシアの予備役動員令は全国規模の抗議デモとロシア人男性の国外逃亡を引き起こしている。
2022年9月27日/カザフスタン、首都アルマトイの公共機関庁舎(Vladimir Tretyakov/NUR.KZ)

カザフスタン政府は27日、ロシア人の入国者が激増し、この数日で約9万8000人が入国したと発表した。

ジョージア内務省も同日、5万3000人以上のロシア人が入国し、国境検問所に長蛇の列ができていると報告した。

さらにフィンランド当局も同期間にロシア人が4万3000人以上、モンゴル政府は約3000人が入国したと報告している。

ロシアの予備役動員令は全国規模の抗議デモとロシア人男性の国外逃亡を引き起こしている。

ロシアの独立系紙ノーバヤ・ガゼータ欧州は、「プーチン政権は近い将来、戦闘年齢に達した男性の出国を禁じる可能性がある」と報じている。

ロシア国営タス通信は27日、州当局はジョージア国境でロシア人男性に招集令状を渡していると報じた。

サンクトペテルブルクからカザフに逃亡した男性はAP通信の取材に対し、「まもなく国家総動員法が発令されると噂になっている」と語った。この男性は自宅から車で丸3日かけて国境に到達した。

別の男性はロシアのウクライナ侵攻を「プーチン・プライベート戦争」と呼び、米国に助けを求めた。「あの狂った男を討伐できる国はひとつしかありません。ロシアは崩壊に向かって突き進んでいます」

カザフとジョージアは旧ソ連構成国であり、ロシア国民のビザなし入国を許可しているため、召集を避けたいロシア人の主要逃亡先になっている。フィンランドとノルウェーはビザが必要だ。

ジョージアはウクライナと同様、ロシアの支援を受けたテロ国家「南オセチア」と「アブハジア」の分離独立を許している。

ジョージアの野党政治家はロシア人の大量流入に懸念を表明し、入国禁止制限などの「思い切った措置」を取るよう政府に求めている。

一方、カザフ政府はロシア人を歓迎している。カザフはウクライナ侵攻に関しては、他の旧ソ連構成国とは異なる路線を取っている。

カザフ内務省の報道官は国境を越えたロシア人の数を発表する際、「国際手配リストに載っていない限り、政府は入国者を保護する」と述べた。トカエフ(Kassym-Jomart Tokayev)大統領は「絶望的な状況」にあるロシア人を助けるよう命じている。

トカエフ氏は声明で、「政府は彼らを助け、安全を確保しなければならない。これは政治的な問題であり、人道的な問題でもある。私は当局に必要な措置をとるよう命じた」と述べている。またトカエフ氏はこの問題についてロシアと近く協議を行う予定であると明らかにした。

ロシア国境に近い西部の都市オラルではボランティア約24万人がロシア人の移動を支援した。この活動に参加した女性はAP通信に、「人々に温かい食事を提供し、宿泊所を探す手助けをしている」と語った。

報道によると、宿泊所を確保できない人向けに避難所も用意されたという。

2022年9月27日/ジョージアとロシアの国境検問所近く(Zurab Tsertsvadze/AP通信)
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