◎国連によると、2017年の弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外に逃亡した。
バングラデシュ、南部コックスバザールのロヒンギャ難民キャンプ(Showkat Shafi/Al Jazeera)

バングラデシュの警察当局は16日、南部コックスバザールにあるロヒンギャ難民キャンプで暴徒が暴れ、ロヒンギャの指導者2人を殺害したと発表した。

地元警察の報道官によると、事件は15日遅くに発生。38歳の男性指導者2人が鋭利な刃物で切り付けられ、市内の病院で死亡が確認された。死因は明らかにされていない。

アルジャジーラは警察高官の話を引用し、「ロヒンギャの武装組織アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)の戦闘員が事件を起こした」と報じている。

ARSAはロヒンギャの市民権を守るためにミャンマー軍と戦ってきた武装組織である。

地元警察によると、難民キャンプの治安はこの数カ月間で劇的に悪化し、一部エリアでは暴力が横行しているようだ。あるエリアでは麻薬密売組織が幅を利かせている。

国連によると、2017年の弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外に逃亡した。

コックスバザールには100万人近くのロヒンギャ難民が避難しており、世界最大の難民キャンプを形成している。

地元警察によると、コックスバザールではこの地域に拠点を置く複数の麻薬密売組織が縄張り争いを繰り広げ、難民キャンプにも影響が広がりつつあるという。

警察の報道官はアルジャジーラの取材に対し、「この3カ月間で少なくとも14人のロヒンギャ難民がキャンプ内で殺害された」と語った。

ロヒンギャのコミュニティリーダーもARSAを非難している。

ARSAはこの事件に関するコメントを出していない。

昨年9月にロヒンギャの指導者モヒブ・ウラー(Mohib Ullah)氏が殺害された事件では、今年初めに数人が起訴されている。ARSAはこの事件への関与を否定している。

ウラー氏はトランプ(Donald Trump)前米大統領が主催した信教の自由に関する会議にも出席したことがある。

バングラ当局はウラー氏殺害後、対ARSA作戦を強化し、戦闘員少なくとも8000人を逮捕した。

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