◎北京2022への参加を表明した東側の首脳はプーチン大統領が初めて。
2021年12月15日/ロシア、クレムリンの会議室、モニターに手を振るウラジーミル・プーチン大統領(Mikhail Metzel/Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)

12月15日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は中露オンライン首脳会談の中で、北京2022冬季五輪に参加すると習近平 国家主席に約束した。

北京2022への参加を表明した東側の首脳はプーチン大統領が初めて。

ロシアの国営メディアによると、両首脳は米国への対応、地域の安全保障、コロナウイルスの問題などについて協議したという。

習 国家主席はウクライナ東部で進行中の問題について、米国とNATO(北大西洋条約機構)に対するロシアの要求を支持すると述べた。

ロシアは米国にウクライナ東部周辺へのNATO軍の展開禁止と、ウクライナのNATO加盟を認めない法的保証を求めている。

プーチン大統領の外交顧問であるユーリ・ウシャコフ氏は15日、記者団に、「プーチン大統領は会談の中で米国に法的拘束力のある保証を求めていると説明し、習 国家主席はロシアの懸念を理解し、ロシアが求めている安全保障を完全に支持すると約束した」と述べた。

またウシャコフ顧問は、「ロシアの提案は15日にモスクワを訪問した米国のカレン・ドンフリート国務次官補に伝えている」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

一方、プーチン大統領は会談の中で、北京2022冬季五輪に参加する予定であることを伝え、習 国家主席は「集まりを楽しみにしている」と歓迎した。

また、中国の環球時報によると、プーチン大統領は、「スポーツの政治化やオリンピックに対する反対運動の参加者に、国際的なスポーツイベントは相互理解と相互扶助で成り立っていると指摘したい」と述べたという。

中国共産党は新疆ウイグル自治区のウイグル族を含む少数民族の大量虐殺や弾圧で国際社会から非難されている。中国のテニススターである彭帥(ポン・シュアイ)選手の失踪事件も共産党の人権侵害のひとつであり、北京2022に影を落としている。

米英豪とカナダは大会に政府関係者を派遣しない外交ボイコットを行うと発表した。ただし、アスリートは出場する予定である。

ウシャコフ顧問によると、プーチン大統領は両国の穏やかな関係を歓迎し、「ロシアは同盟国の内政に干渉せず、お互いの利益を尊重し、国境を管理し、中国の良き隣人となり、永遠の平和を構築できる」と述べ、習 国家主席に笑顔を向けたという。

習 国家主席も両国の関係がうまくいっていることを歓迎したうえで、「両国の間にくさびを打ち込もうとする勢力の試みに強く反対する」と述べた。

また、中国の国営CCTVによると、習 国家主席は、「特定の国際勢力は民主主義と人権を推進すると装い、中国とロシアの内政に恣意的に干渉している」と述べたという。

さらに習 国家主席はプーチン大統領の北京2022参加を歓迎し、スポーツは両国の絆をより一層深める可能性があると述べた。「私たちはパンデミックや気候変動を含む世界で進行中の問題を解決するために、これからも良好な関係を維持します...」

中国の外務省は、「プーチン大統領の参加を非常に楽しみにしており、中国は国際社会の未来のためにプーチン大統領と協力して新しい章を一緒に開く準備ができている」と述べた。

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