◎墜落したのはフィリピン空軍が保有するロッキードC-130ヘラクレス、搭乗していた陸軍兵士42人と地上にいた民間人3人の死亡が確認された。
2021年7月4日/フィリピン、スールー州パティクル、軍用機の墜落現場(フィリピン統合任務部隊/AP通信/Sulu)

フィリピンの現地メディアによると、南部スールー州の林に軍用機が墜落し、少なくとも45人の死亡を確認し、49人を救助したという。

墜落したのはフィリピン空軍が保有するロッキードC-130ヘラクレス、搭乗していた陸軍兵士42人と地上にいた民間人3人の死亡が確認された。墜落地点は同国の南部に位置するホロ島のスールー州パティクル、墜落時刻は7月4日の11時30分頃(現地時間)。

軍当局によると、同機に搭乗していたのはパイロット3人、乗組員5人、陸軍兵士88人の計96人だったという。墜落現場周辺にいたと伝えられている民間人7人のうち3人が巻き込まれた。

同機は、米国空軍から今年の軍事援助の一環としてフィリピン軍に引き渡された航空機2機のうちの1機だった。

軍当局は4日の声明で、「数十人が負傷し、5人は重傷」と述べた。負傷者は軍病院に搬送され治療を受けている。

軍のシリリット・ソベジャナ将軍は記者団に対し、「機体は滑走路を逃し、力を取り戻そうとしたが墜落した」と述べた。

AP通信の取材に応じた空軍当局者は、「ホロ島の滑走路は国内の他の滑走路よりも短く、着陸を誤った場合、調整することは困難」と述べた。

2021年7月4日/フィリピン、スールー州パティクル、軍用機の墜落現場(フィリピン統合任務部隊/AP通信/Sulu)

統合任務部隊スールーの声明によると、「墜落する直前、多くの兵士が爆発から逃れるために機体から飛び降りるところを確認した」という。飛び降りた兵士たちの詳細は明らかにされていない。

搭乗していた兵士たちは、イスラム過激派組織アブ・サヤフ・グループ(ASG)と戦うために南部に派遣された増援部隊のひとつだった。

軍当局は、「機体が攻撃を受けた兆候は見られず、救助活動が完了次第調査を始める」と述べた。

AFP通信によると、搭乗していた兵士たちは基本的な軍事訓練を最近終えたばかりだったという。

墜落したロッキードC-130ヘラクレスは今年1月、米国空軍から引き渡された。航空安全ネットワークによると、同機は1988年に運用を開始したという。

ロドリゴ・ドゥテルテ大統領はASGを含むイスラム過激派組織を一掃すると誓約しており、2018年後半にスールー州での軍事活動を強化し、数百の部隊を配備した。

空軍のS-701ブラックホークヘリコプターは先日、パンパンガ州クラーク・フリーポートの近くで墜落し、搭乗していた空軍の要員6人全員が死亡した。

ホロ島、スールー州パティクル

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