◎インドネシア領パプア(旧オランダ領)はインドネシア本島とは民族的・文化的に大きく異なる。
インドネシア、パプア州の先住民族(Getty Images)

インドネシアの警察当局は29日、パプア州の先住民族4人を殺害した容疑で軍の兵士6人を逮捕したと発表した。殺害された4人は全員男性、身元は明らかにされていない。

パプア州の地元警察は記者団に対し、「この事件に関与した公務員は公正な裁判にかけられるだろう」と語った。

報道によると、4人の遺体は州郊外の集落の河川で26日に発見された。遺体は首と脚を切断され、4つの袋に入れられていたという。袋には石が詰められていた。

警察の報道官は、「4人は近隣地区の住民で、AK-47ライフルなどを売ると話を持ち掛けてきた者に会うために車をレンタルしていた」と説明した。

インドネシア領パプア(旧オランダ領)はインドネシア本島とは民族的・文化的に大きく異なる。パプアの先住民族であるパプア人とインドネシア当局は数十年に渡って対立しており、紛争が絶えない。

インドネシア政府はジャワ人などをパプア州に移住させる政策をとっており、現在は独立派を抑えるために経済開発を促進しようとしている。

報道によると、殺害された4人は分離主義組織の戦闘員または関係者の可能性があるという。

警察の報道官は、「逮捕された兵士6人は4人がレンタルしたとみられるバンに火をつけ、AK-47ライフル購入のための金を奪った」と説明した。また報道によると、この6人は週末に別の民間人3人が死亡した事件にも関与した可能性があるという。

反政府組織「自由パプア運動(OPM)」の報道官は29日、ジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領に対し、6人を法廷で裁き、死刑に処すよう求めた。

またOPM報道官は、「これはインドネシア政府による人道に対する犯罪であり、6人が死刑に処されなければ報復作戦を実行する」と警告した。

パプア州の紛争は昨年急増し、分離主義組織の戦闘員、兵士、市民数十人が殺害された。

今年7月には、分離主義組織と見られる武装集団がインドネシアの他の島から来た市民10人と先住民1人を殺害した。

3月には武装集団が通信塔を修理していた技術者8人を射殺した。2018年12月には建設労働者と兵士少なくとも31人が殺害されている。

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