◎拉致されたのは陸軍中佐で、デライスマイルカーンで3日前に行われた父親の葬儀中に行方不明になった。
パキスタン、南西部バルチスタン州のアフガン国境近く(ロイター通信)

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で武装勢力に拉致された陸軍将校を含む4人が解放された。陸軍が8月31日、明らかにした。

それによると、拉致されたのは陸軍中佐で、デライスマイルカーンで3日前に行われた父親の葬儀中に行方不明になったという。

地元警察は声明で、「部族の酋長らが解放交渉を行い、中佐とその親族3人は無条件で解放され、全員の無事を確認した」と述べた。

それ以上の詳細は明らかになっておらず、犯行声明を出した組織も確認されていない。

地元メディアによると、拉致から数時間後に公開されたとみられる動画で、誘拐された2人は「TTP(パキスタンのタリバン運動)に拘束されている」と述べていた。

2人は動画の中で、政府に対し、誘拐犯の要求を受け入れるよう求めたが、その内容には言及していない。

アフガニスタンと国境を接するカイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州ではテロ攻撃が相次いでおり、その多くにTTPが関与している。

TTPとアフガンのタリバン暫定政権は別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。

専門家によると、TTPはタリバン暫定政権が3年前に政権を掌握して以来、勢力を拡大しているという。

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