◎バルチスタン州郊外には分離独立を目指す武装勢力の拠点があるとされ、数十年に渡って戦闘が繰り広げられてきた。
パキスタンの反政府武装組織「バルチ解放軍(BLA)」の戦闘員(Getty Images)

パキスタン軍は16日、南西部バルチスタン州の反政府武装組織「バルチ解放軍(BLA)」が今週初めに誘拐した民間人を殺害したと発表した。

BLAは軍将校とその家族および別の家族を誘拐し、軍将校を殺害したため、犠牲者はこれで2人となった。

バルチスタン州郊外には分離独立を目指すBLAやその他の武装勢力の拠点があるとされ、数十年に渡って戦闘が繰り広げられてきた。

政府は反乱を鎮圧したと主張しているが、暴力が収まる気配は見えない。

BLAは今週初め、バルチスタン州の州都クエッタ郊外で軍将校らを誘拐した。

報道によると、一行は州内の観光地に向かっていたという。BLAは12日遅くに将校の家族を解放したと伝えられている。

将校の遺体は14日、一緒に拉致されたとみられるもう1人の遺体は16日に郊外の排水溝で発見された。

AP通信は警察筋の話を引用し、「16日に発見された男性は将校の従兄弟」と報じている。

バルチスタン州政府は2人の殺害を非難し、「州内からテロリストを排除する」と決意表明した。

軍によると、現地に派遣された部隊は2人を救出する作戦の中で、BLAの戦闘員9人を殺害したという。

BLAの広報担当は地元メディアを通じて声明を発表。事件への関与を認めたうえで、戦闘員9人を殺害したという軍の発表を否定した。

スポンサーリンク