◎ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
2022年12月5日/パキスタン、北西部ペシャワル、経口生ポリオワクチン接種の様子(Muhammad Sajjad/AP通信)

パキスタンの警察当局は31日、ポリオワクチン接種キャンペーンに参加していた医療従事者らが武装集団の攻撃を受け、護衛の兵士1人が死亡、もう1人が負傷したと発表した。

警察によると、事件はアフガニスタン国境に近い北西部カイバル・パクトゥンクワ州の北ワジリスタン地区で発生したという。犯行声明は出ていないようだ。

中央政府は数日前に最新のポリオ撲滅キャンペーンを開始したばかりだった。

医療従事者にケガはなかった。警察が武装集団の行方を追っている。

ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。

死亡率は地域によって異なるが、ワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、妊婦はさらに高いと推定されている。

パキスタン政府は2年ほど前からポリオ撲滅キャンペーンを展開しているものの、感染者は一向に減らず、増加傾向にある。

イスラム過激派などの武装勢力は米CIA(中央情報局)が国際テロ組織アルカイダの創設者ビンラディン(Osama bin Laden)を追跡する際に偽のワクチン接種活動を行ったことで、ワクチンキャンペーンを敵視するようになった。

過激派はワクチンを「西洋の陰謀」「イスラム教徒を不妊化するウイルス」などと呼び、接種会場や医療関係者を標的にしている。

パキスタンとアフガンは世界で唯一、ポリオが蔓延している国である。

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